ジャズ界でも、その他の世界でも、
ある程度のキャリアを積んだ人たちから
「近頃の若い者は、、」
という声をよく聞く。
内容は、大概批判的なものだ。
ジャズ界で言えば、
「上手いけど個性がない。
だから、もっと個性を磨け!」
という意見に集約されるのではないだろうか?
こういった意見は、
リレー走のように
受け継がれていくように見える。
ジャズ界でも他の世界でも、
ある程度の修行期間が必要だ。
守破離で言えば、守の期間は必ず必要であり、
何年も、いや長い場合には10年以上や、
その業界に携わる間はずっと学び続けることに
なるだろう。
その期間に批判されても辛いものがあるかも
しれない。
先日ある先輩ミュージシャンと話していたら、
こんなことを言っていた。
「もう50(歳)が見えてきたけど、毎日練習
してるわー。ベテランになったらあまり練習
とかせんくなるんかなと思ってたけど、全然
そんなことないな。」
その通りだと思った。
僕も、未だに練習しているし(当たり前)、
全然知らない音楽は沢山あるし、新しい
発見は気づきがあって感動したり、という風に
これまで以上に音楽にのめり込んでいる。
という風に、年齢は重ねているけど、
楽器を始めた時の感覚を持って音楽に取り
組んでいるし、
そういう気持ちでいられること自体に感謝している。
僕はコーチング活動の中で多くの人と会って話をするが、
「やりたいことがない。」
という悩みを持つ人が本当に多い。
世の中全体で見たら、相当な数の人がいる
だろうし、そういった状況を打開するために
情報発信をしている。
ミュージシャン仲間からしたら、
なんか変なことをしているんじゃないか?
と怪しまれることもあるが笑、
ミュージシャンはやりたい事を持っているから、
やりたいことがない人の問題の大きさが見えない。
いわゆるスコトーマ(心理的盲点)があるためだ。
話は逸れてしまったが伝えたいことは、
近頃の若い者は、、とつぶやく人たちには、
そんな事を考える暇があるなら、
自分自身がのめり込む事をもっとせよ!
ということである。
人の事をとやかく言う暇があるなら、
自分自身が自分の人生を楽しむべきだ。
そして、そうした姿が、自分たちが伝えたい
相手に大きく影響を与えることになる。
人の事をとやかく言う人は、自分の人生を
楽しめていないのではないか?
もちろん、社会全体を見て、自分の役割から
考えて言っている人もいるだろう。
しかし、イチローや宮崎駿など例を見ても
分かるように、自分のやりたい事をとことん
やり切っている人は、
結果的に世の中の多くの人に大きな影響を
与えている。
そして、わけ知り顔で批判する前に、その
「若い者たち」が何を考えているのか、
よくよく知る必要もある。
若者たちの抽象度(視点)が低ければ、一段引き
上げてあげればいいし、逆に自分の学びと
なるようなこともあるだろう。
そうやって、自分と相手の抽象度を上げていく
事をしていけば、自分の世界はどんどん広がって
ワクワクする日々が訪れるだろうし、
相手の世界も広がって、個々が画一的では
なくなり個性豊かになっていくだろう。
守の期間が終わり、破、離のステージへと
駆け上がっていくことにもなる。
そして、業界全体、世の中全体がワクワクで
満ちていくのではないか?
という風なことを、前を走っている人考えて
実行していくべきなのではないか?
そんな事をツアー先の富山で思った次第だ。
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