楽器は、自然発生的に生まれたものが多いです。
ドラム、フルート、トランペットなどは、動物の骨や皮、
木などを材料とする原型の楽器があってそれが発展した
ものです。
しかし、サックスは19世紀にアドルフ・サックスが
フルートやクラリネットなどのキーシステム(木管楽器・操作性)、
管体は金管楽器(金管楽器・大音量で音が出せる)、
発音はクラリネットのリード(木管楽器・音が出しやすい)を応用して、
という具合に木管楽器の良さと金管楽器の良さをミックスした
「楽器界のキメラ」なわけです…
では、なぜアドルフ・サックスはこのような画期的な楽器を発明することができたのでしょうか?
コーチング的に見ると、サックス氏が行ったのは「LUB」という
テクニックです。
LUBというのは、Least Upper Bound=最小公倍数です。
例えば、2と3の最小公倍数は、6ですよね。
サックス氏は、当時あった様々な楽器を高い視点から見渡して、
サックスという楽器の着想を得たのでしょう。
木管楽器と金管楽器の最小公倍数は、サックスということですね。
こういう記述があります。
----------------引用開始----------------
アドルフがこの楽器を試作・研究し始めたのは1838年頃と
言われています(父親が後にそう語っています)。
アドルフは、その当時の管楽器の低音部の音色は、一般的に
堅すぎるか柔らかすぎるかのどちらかだと感じていました。
弦楽器はその響きが弱いため戸外で使うことが出来ず、唯一金属製の
管楽器だけが使い得るものでだったので、
彼はこの不都合さを克服すべく、
「音色の特徴としては弦楽器に近いものでありながら、
弦楽器よりも力強く、より迫力のある楽器を作る。」ことを考えたのです。
当時は軍楽隊が盛んで、
金管楽器と木管楽器の音色を融合させる役目も考慮されていたようです。
引用元:サックスの歴史1より http://amija.fc2web.com/sax/sax01.html
----------------引用終了----------------
つまり、当時の楽器業界全体を見渡して、
「もっとこういうのがあれば良いんじゃないか?」と、
思いついたのがサックスだったのです。
因みに、サックス氏は様々な楽器が演奏できたそうです。
これも、より高い視点を得るのに役立ったことでしょう。
このように、新しい発想を得る時にLUBという考え方はすごく
役に立ちます。
その際のポイントは、
「何かと何かを包摂する1つ上の視点を考える」
ということです。
LUBをマスターするワーク
こういうワークから始めると良いかもしれません。
ハサミとペンのLUBは、文房具。
コーヒーカップとお皿のLUBは、食器。
という風に練習してから、
ペンと観葉植物のLUBは?
カレーと椅子のLUBは?
という風に共通点を見つけにくいものからLUBを見出す練習をすると、
発想力をつける良いトレーニングになります。
LUBは、家庭、ビジネスのさまざまな現場、地域貢献など応用範囲は
無数にあります。
ぜひ、あなたもこの便利な"LUB"をご活用くださいね。
comment closed