「ジャズ界はどんどん厳しくなってる。
ギャラが云々とか言えない状況になっている。
どうにかならんもんですかね?」
確かに、ジャズ界の現状は厳しいものがあります。
ジャズは、メジャーな音楽ではありません。
ジャズクラブなどの演奏の場に対して、ミュージシャンはどん
どん増えており、競争過多になっています。
しかも、聞きに来るお客さんが比例して増えているかといえば疑問
があります。
というように厳しいといえば、厳しいですが、
「それでもジャズをやりたい!」と強く思っている人が残っていく
世界になったとも言えます。
その点は、僕はいい事なのではないかと思っています。
立ちんぼが通用した時代は良かったのか?
昔は、「立ちんぼ」といって、ベースが全く弾けないのに、持って
立ってるだけで一晩3万円もらえた時代がありました。
これは、お金のための行為であり、コーチング的に見ると「抽象度の
低い行為」です。(当然、持ってただけの人はどんどん消えていったでしょう。)
さて、ここで整理しておくべきことがあります。
職業とは、「自分の機能を世の中に果たすこと」です。
職業で必ずしも稼ぐ必要はありません。
そして、職業とは別に「ファイナンス活動」を考えておくべきです。
例えば、
職業:ミュージシャン
ファイナンス活動:音楽スクールの講師
または、
職業:ミュージシャン
ファイナンス活動:サラリーマン
でも構わないわけです。
前者は、ほとんどのミュージシャンがこの方法をとっている事でしょう。
後者でも優れたミュージシャンは沢山います。
もちろん、ファイナンス活動が職業をかねる場合もあります。
ファイナンス活動の音楽スクールの講師もwant toで、
自分の中では職業としての認識を持っている場合などです。
因みに、この職業とファイナンス活動を分ける感覚を持っていないと、
やりたくないことを職業でやることにもつながります。
これまでの世の中、特に日本では職業で稼げることを強く要求される
風潮があります。
家族を養うなどのためなのは理解できますよね。
なので、自分の職業で稼げないことに頭を悩ませる人も多いように見受け
られます。
しかし、職業とファイナンス活動を分けて考えることで職業で稼げなくても
堂々と「自分の仕事は〇〇です。」と胸を張っていいし、ファイナンス活動を
持てばいいので悩む必要はありません。
さらに、仕事は「1つ」である必要もありません。
1つの職業しか持っていない人より、より多くの職業やファイナンス活動を
持つ人の方が、様々な視点を持つことになり、抽象度も高まります。
ロックスターの矢沢永吉さんは、40代からアーティスト以外に社長業を
始めました。
当初は、社長業が嫌で嫌で仕方なかったそうです。
しかし、彼が自分のコンサートツアーのプロモート・プロデュース、
さらにグッズ販売の権利など正当に得るためにプロモーション会社を立ち上げ、
その社長職に就任したのです。
プロモートは、それまで任せていたプロモート会社よりもっとグレードの高い
ものを提供するために設立したもので、ある意味でファイナンス活動です。
これは、それまでの日本ではあり得なかったことで、昔のアーティストは(今の
かもしれませんが)裏方の人たちに本来受けるべき報酬を奪われていました。
なぜ、矢沢さんにそれが出来たかというと、
彼は若い頃からビートルズのビジネスに対する考え方を学び、
それを日本の状況に置き換えたからでした。
そして、
「ロックの世界でトップを取る!」
「フォークのように日本でのロックの認知度をあげる!」
といった高いゴールをたてて、そのゴールの自分らしく
振舞ったからでした。
(因みにゴールにふさわしい姿を考える事で、社長職という元々have toだった
ものが、want toに変わっています。)
このように、いま就いている仕事に対して視点を上げて考える事は大事です。
仕事の事で悩んでいる人は、ぜひ「職業」と「ファイナンス活動」を分けて
考えるようにしましょう。
きっと大きな発見があると思いますよ。
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